寄付総額
目標金額 20,000,000円
- 寄付者
- 686人
- 募集終了日
- 2020年4月20日
「日々進められている研究が、希望の光になる」(鈴木美穂)
【前編】
「あらゆる人が、たとえ困難な病気や状況になったとしても、希望を持てる社会であってほしい」
そう語るのは、元日本テレビの記者・キャスターで、現在は「認定NPO法人マギーズ東京」(以下、マギーズ)の共同代表理事を務めたり、「『がん』と言われても動揺しない社会」を目指し、「がん」にまつわる様々な課題を、医・産・官・学・民・メディアなど業界を越えて力を合わせて解決していくプラットフォーム「一般社団法人CancerX」を発足したりするなどの活動をする鈴木美穂さん。
今から12年前、24歳という若さで乳がんが発覚し、当時は「人生どん底だと思った」と語る鈴木さんですが、そんな彼女を救ったものの一つに、当時、日本で承認されたばかりの新しい分子標的薬(がん細胞の増殖に関わる特定の分子だけを攻撃する薬)の存在がありました。
この治療法があると知っただけで、「生きられるかもしれない」と思うことができ、希望を持つことができたと語ります。
このように、治療の「選択肢」があるということが、患者さんにとって希望になる。そんな希望を1つでも多く生み出していくために、私たちにできることは一一。
(以下、鈴木美穂さんのインタビュー「前編」です)
自分の病気に「治るかもしれない選択肢があること」が嬉しかった
一一 鈴木さんの闘病のご経験について教えてください。
着替えの時に「あ、シコリがある」と気付いたのが、私が24歳の時です。2008年5月に、一人で病院へ行って、そこで「ステージ3の乳がん」だと宣告を受けました。家族にもがんになった人はいなかったし、知識は何一つない状態で。「もし治療が始まったら、髪の毛が抜けたり、吐いたりして、苦しいんだろうな」というイメージがあるくらいでした。
私は、当時はまだ予後が悪いとされていた乳がんの種類であることも知りました。「私の人生、本当にこれでもう終わりなんだ」と絶望した気持ちは今も忘れられません。そんな中、胸を温存する方法がないか、子どもを産める可能性を残すことができないのか…….。当時、記者だったこともあって、とにかく調べてセカンドオピニオンにも何回も行って、あらゆる情報を探し求めました。
そうした中で、私は、「HER2陽性乳がん」で、当時登場したばかりの分子標的薬が合う可能性が高いことを知ったんです。
一一 『希望のちから(原題:Living Proof)』という映画になった薬ですね。
そうです!当時、その薬は、アメリカで開発されて日本で使える薬剤として承認されて間もない新薬でした。結果として、私は右胸の全摘手術を受けて、抗がん剤治療などをした上で、その薬を投与しました。ギリギリのタイミングで相性が合う薬が開発されていたお陰で運良く今まで生きることができているのではないかと思っています。
だから、もしも同じ病気に少しでも前になっていたら、もしもその薬が使えていなかったとしたら……、私は、助かっていなかったかもしれません。
一つの治療薬の開発のために、HER2陽性乳がんの発生要因について調べてくれた研究者がいて、そこから治療法を開発し、臨床試験があり…、たくさんの人たちの努力が積み重なったおかげで、今の私が生きていられているという実感があります。
それと、分子標的薬治療について詳しく教えてくれた先生が「不幸中の幸いというか、君はラッキーだよ」と、私に言ってくれたんです。仕方のないことだと思いますが、それまでは苦しい表情で私と向き合う先生がほとんどでした。私の病気にも「治るかもしれない選択肢があること」を感じられたのが本当に嬉しかったです。
一一 がん研究会の髙橋先生も、治療法を示すことができないことが、医師にとっても非常に悔しいことだと仰っていました。
今年5月で、がんの告知から12年になりますが、やっぱり今でも再発や転移している可能性があるんじゃないかと不安がよぎることはあります。だけどあの薬以降にも新薬が開発されていて、治療の選択肢が増えていっている。あの時の新しい治療法によって救われた経験は、今も不安と闘う時の、希望であり、お守りのようなものになっています。
がん患者さんとお話する際に、治療の選択肢がもたらす希望について伝えることも多いです。どんながんであれ、治療の選択肢が増えていって欲しいと常々感じております。
そして患者さんやその家族にとって、現時点ではまだ治療法がなかったとしても、新たな治療薬や治療法の開発を目指して、日進月歩で研究が進んでいるという事実が、“生きよう” という希望にどれだけつながるかが分かるからこそ、髙橋先生をはじめ研究や治療をする人々を応援したいという気持ちが強くあります。
「自分には命を救うことはできない」という葛藤を乗り越え、自分にできることを続けていく
一一 若年性がん患者団体「STAND UP!!」や、がん患者さんやその周りの人々の居場所になるような「マギーズ東京」を建設・運営するなど、ご自身でも精力的に活動されていますね。
闘病中は、インターネット検索が怖くて仕方ありませんでした。検索上位で目にするのは、既に亡くなられてしまった方のブログだったり、怪しい治療法の勧誘だったりして。自分と重ね合わせて眠れなくなったり、何を信じていいか分からなくなったりしていました。
同じように若くがんになった人たちと出会いたい、がんになった後どうやって生きていったらいいのか、正しい情報や相談できる場所が欲しいと思ったことで、フリーペーパーを作って病院に置いてもらったり、実際に会って何でも気兼ねなく話せる居場所を作ったり…。STAND UP!!もマギーズ東京も、あの時の自分の「あったらよかったな」「こういう世界だったら良かったな」という思いから始まったものです。
一一 鈴木さんのように、闘病後も元気に生きている姿を見て、勇気をもらっている人がたくさんいると思います。
こういう取材の機会を頂けても、本当は何をどう伝えるべきか……。がんを経験した私自身は、懸命に生きて、がんに関する情報を発信したり活動したりすることも、与えられた役割の一つだとも思って歩んでいます。
だけど、今闘病中の方々やそれでも長く生きられなかった患者さん家族にとって、希望ばかり伝えることも、逆に負担になることもあると思います。私も、闘病中に一番支え合っていた友人や、妹のように思っていた友人など、大切な友人を何人もがんで亡くしました。
大きな無力感を感じることも日々あります。どれだけ居場所を作っても、どれだけ仲間を作っても、亡くなってしまう人がいることを、私には助けることができない。自分がやっていることに意味はないんじゃないかと感じることもあります。
がんを経験した後、命を救うことのできる医師や研究者になりたいと考えて、その方法を調べていた時期もありました。でも今は、自分自身がならなくても、自分にはできないことに取り組んでくださっている方々と力を合わせてできることがあると信じています。
少しでも、困難な病気に対して、治療の選択肢が増えて欲しいということは常々思っています。今回のクラウドファンディングのように、みんなの力を集めて研究を進めるというのはとても尊くて、絶対に必要なことだと思っています。
あらゆる人が、たとえ困難な病気や状態になったとしても、助かる希望を持てる社会に近づけるように、やっぱりこういったことは役割分担で、私は私のできることをやろうと決めて活動を続けています。
「世の中を変化させる全ては一人一人の小さなアクションの積み重ね」
◆プロフィール
鈴木美穂(すずき・みほ)
認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事 一般社団法人CancerX共同発起人 元日本テレビ記者・キャスター
1983年、東京都生まれ。2006年慶応義塾大学法学部卒業後、2018年まで日本テレビに在籍。報道局社会部や政治部の記者、「スッキリ」「情報ライブ ミヤネ屋」ニュースコーナーのデスク兼キャスターなどを歴任。2008年、乳がんが発覚し、8か月間休職して手術、抗がん剤治療、放射線治療など、標準治療のフルコースを経験。復職後の2009年、若年性がん患者団体「STAND UP! ! 」を発足。 2016年、東京・豊洲にがん患者や家族が無料で訪れ相談できる「マギーズ東京」をオープンし、2020年3月までに約2万2000人の患者や家族が訪問。2019年、「がん」にまつわる様々な課題を、医・産・官・学・民・メディアなど業界を越えて力を合わせて解決していく一般社団法人「CancerX」を発足。
自身のがん経験をもとに制作したドキュメンタリー番組「Cancer Gift がんって、不幸ですか?」で「2017年度日本医学ジャーナリスト協会賞映像部門優秀賞」を、「マギーズ東京」で「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017チーム賞」を受賞。2016年以降、厚生労働省「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」「がんとの共生のあり方に関する検討会」「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」、PMDA運営評議会、都庁「AYA世代がんワーキンググループ」などで複数の行政委員を兼任。
著書に、『もしすべてのことに意味があるなら がんが教えてくれたこと』(ダイヤモンド社)など。
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ギフト
5,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ小)※2
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
- 寄付者
- 235人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
10,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ小)※2
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
- 寄付者
- 254人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
30,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ小)※2
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
- 寄付者
- 60人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
50,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ中)※2
④活動報告会へご招待
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
- 寄付者
- 52人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
100,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ中)※2
④活動報告会へご招待
⑤院内銘板に記名(サイズ小)※2※4
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
※4 2020年度のご寄附として、2021年9月頃に取り付け予定
- 寄付者
- 70人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
300,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ中)※2
④活動報告会へご招待
⑤院内銘板に記名(サイズ小)※2※4
⑥医師や研究者による講演会へご招待
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
※4 2020年度のご寄附として、2021年9月頃に取り付け予定
- 寄付者
- 7人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
500,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ大)※2
④活動報告会へご招待
⑤院内銘板に記名(サイズ中)※2※4
⑥医師や研究者による講演会へご招待
⑦院内見学会へご招待
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
※4 2020年度のご寄附として、2021年9月頃に取り付け予定
- 寄付者
- 5人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
1,000,000円
①領収証とお礼状※1
②寄附者一覧掲載の活動報告冊子郵送※2※3
③院内掲示板に記名(サイズ大)※2
④活動報告会へご招待
⑤院内銘板に記名(サイズ大)※2※4
⑥医師や研究者による講演会へご招待
⑦院内見学会へご招待
⑧理事長からの感謝状贈呈
※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年6~7月頃の発送予定
※2 寄附者名記名は希望者のみとなります
※3 2020年度のご寄附として、2021年9月頃の発送予定
※4 2020年度のご寄附として、2021年9月頃に取り付け予定
- 寄付者
- 4人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月