井光山五臺寺 櫻本坊

671年 都が近江にあった飛鳥時代。天智天皇の弟である大海人皇子は吉野離宮日雄殿にいました。ある寒い冬の夜、大海人皇子は夢を見ます。―深い雪に覆われた吉野山に1本の満開の桜が咲いている。不思議に思った大海人皇子は、役行者の高弟・角乗に夢判断を命じます。角乗は答えます。「櫻は日本の花の王、殿下は天皇の位につかれることでしょう。」と。翌年、大海人皇子は壬申の乱に勝利、天武天皇となられます。喜ばれた天武天皇は、その夢で見た櫻樹を探し出し、そのもとにお寺を建立。寺号を櫻本坊と名付け、天武・持統天皇の勅願所とされました。以来、神仏習合の修験道場として、また厄除・道開き・勝福・縁結びのご利益祈願で、広く信仰を聚めています。神変大菩薩(鎌倉時代・重文)をご本尊とし、天武天皇ご念持仏 釈迦如来坐像
(飛鳥時代・重文)など数々の寺宝が伝わる。聖天堂には役行者ご感得の日本最古の聖天尊(歓喜天)が祀られる。

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