パレスチナ・ガザ地区でお母さんと子どもたちの健康を守りたい!
寄付総額
目標金額 4,000,000円
- 寄付者
- 531人
- 募集終了日
- 2020年10月30日
【終了まであと7日! 元駐在員・並木が出会った妊婦さんのお話】
みなさまに応援いただいている「ガザ地区での子どもの栄養改善事業」は、2002年から継続している活動です。今はガザ中部を対象としていますが、本日メッセージをお届けする広報・ファンドレイジンググループマネージャーの並木がエルサレムに駐在していた2016年は、ガザ北部で同様の活動を行っていました。
本日は当時、並木が出会った妊婦さんの話をお届けします。時期と場所は異なりますが、今でもガザ全体で同じような境遇にある妊婦さんもいます。そして、今も現地パートナー団体のスタッフやボランティアの方たちは同じ思いで活動を続けています。是非、その思いを聞いていただけたらと思います。
ガザで子どもたちとの活動に参加する並木(右から2番目)
2016年の秋、現地駐在員としてガザを訪ねた時のことです。パートナー団体スタッフで保健師のラナさん、そして女性ボランティアのランダさん、フェダーさんと一緒に、貧困地域の家族の様子を見に行きました。その時に出会った22歳の妊婦アーヤさん(仮名)のことを、私は今でもよく日本から思い出しています。
<駐在中に訪ねた、過酷な状態におかれた家族のこと>
地域の中でも最もインフラが整っておらず、舗装もされていない砂地の住宅地を奥へ奥へと進んだところに、女性ボランティアのフェダーさんが「どうしても今日、顔を見に行っておきたいの。会わなきゃ」という、妊婦さんが暮らしていました。コンクリートブロックを積んだ壁をすり抜け、ロープでのれんのように吊るした間仕切りをくぐり、国連支給の食料袋に砂を詰めた土嚢をまたいで入った家は、ドアもない本当に粗末なつくりの建物でした。
アーヤさんの家のまえの土嚢
この家に住むアーヤさんは当時妊娠5ヶ月。16歳で結婚、17歳で妊娠して娘を出産しましたが、夫の家庭内暴力がひどくなり離婚。夫に取られてしまった娘が忘れられず、4年後に「新しい家で3人で暮らそう」と再び言い寄ってきた元夫と再婚し、その後の1ヶ月で再び家庭内暴力を受けていました。
その後実家に緊急避難してきたものの、アーヤさんは2人目を妊娠していました。そして不幸が重なることに、実家では28歳のお兄さんが4人の幼い子どもたちを遺してガンで亡くなったばかり。この家にいるのは、お母さんと兄嫁、そして子どもたちだけです。仕事はありません。
「産みたくない。なにもしたくないの。食事も食べたくない。」
席に着いた途端、あいさつもそこそこに、アーヤさんが私以外の3人に向けて堰を切ったように不安を話しはじめました。夫の暴力のこと、兄や4人の姪・甥のこと、そして生活の不安のこと…。
あまりに過酷な話が続き、傍にいた私はメモを取るのも忘れ、一言も発することができませんでした。私が駐在していた約半年の間に訪問したガザの家庭の中で、間違いなく一番過酷なケースでした。
貧困地区の通りの様子(北部ジャバリア)
<「解決策は出ない、でも寄り添い続けるの」>
フェダーさんもランダさんも、そしてラナさんも、普段の家庭訪問で伝えている栄養の知識などは一言も話さず、じっとアーヤさんの話に耳を傾けていました。約15分後、言葉を終えたアーヤさんに「また来るわ」と伝え、私たちはアーヤさんのお家を後にしました。訪問中、アーヤさんは一度も笑わず、そばにいる幼い子どもたちはじっとこちらを見ていました。
「このケース、これからどうするの…?」
そう尋ねる私に、「本当に難しいケースね」とラナさんもため息をついていました。
「今は、解決策は見つからない。でも、これからも私たちは彼女から目を離さないわ。フェダーとランダはアーヤのご近所さんだし、友人としても彼女に寄り添い、気を配り続けてくれる。あの2人は、それができる人たちなの」
政治的な封鎖の問題、男女の力関係の問題、経済的逼迫…。何重にも重なるガザの複雑な社会構造の中で、最も弱い立場の人々は砂地やコンクリートに埋もれるように暮らしています。私たち外国人がたとえ「なんとかしたい」と思い現地を歩いても簡単に見つけることはできない、ガザの貧困家庭。そのドアを開け、苦しい声を聞き、気を配り続けてあげられるのは、やはり地元の意志ある人々です。
この日の私は、「今日行かなきゃ、話を聞かなきゃ」と私たちを連れて行ってくれた女性ボランティア・フェダーさんの熱意、そしてラナさんの言葉に、改めて「この活動は、こういう形でなければならないんだ」と思わされました。
今日、問題が解決しなかったとしても、目を離さずに寄り添い、より良い暮らしを目指し続けること。活動を通じてできていく地域の「絆」が、たくさんの社会問題を抱えるガザの中で、母子を守り続けてきたのだと思います。
地域の母子の健康をつくるために、いまもボランティアの女性たちが、一人一人に気を配っています。一人でも多くのお母さんや子どもの暮らしに寄り添うため、女性ボランティアを育てて地域の家族をケアするこの活動が、まだまだガザには必要です。
第二目標まで、あともう少し。皆様の思いを、JVC、そして現地の女性たちに託していただければ大変幸いです。ご支援、よろしくお願いいたします。
並木 麻衣(なみき・まい)
広報・ファンドレイジンググループマネージャー
1984年生まれ、3歳双子女児と6歳女児の母。現在第4子妊娠中。2016年にパレスチナに駐在し、東エルサレム事業とガザ事業を担当。好きなものはパレスチナで一時期しか出回らないアンズと、ガザのお母さんたちが作る手焼きのパン。
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@@ いよいよ明日!! @@
◆配信イベント第四弾:10月24日(土)19:00~20:00 オンライン配信
「ジャーナリスト堀潤が見たガザ」
配信URL:https://bit.ly/31gUOOT
堀さんは2017年にガザのJVCの事業地を訪れ、取材してくださいました。いつも聞き手に回って下さる堀さんですが、今回はガザを訪れた時のエピソードや行ってみて感じたことなどを交え、パレスチナに駐在中の山村と対談形式でお話していただく予定です。
◆配信イベント第四弾:10月27日(火)19:00~20:00 オンライン配信
「クラファン終了まであと3日!ラストスパートトーク!」
配信URL:https://bit.ly/2Hl2pok
ファンドレイザーとしても幅広くご活躍され、JVC広報・ファンドレイジング専門アドバイザーでもある鎌倉幸子さんを聞き手として迎え、パレスチナ事業チームメンバーがガザでの支援にかける思いを語ります
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